QRコード
QRCODE
Information
ID
PASS

 


【PR】カード1枚でいろんなお店のポイントが貯まる!!詳しくはこちら》
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。 解除は→こちら
現在の読者数 1人
プロフィール
エントワークリンケージ
エントワークリンケージ
私、五十路手前の後藤愼一が、熊本で頑張る社長さんやオーナーさんを訪問し、創業の苦労話、これからの夢などあれやこれや聞いて、レポートします。
オーナーへメッセージ

2008年03月07日

生産から販売への転進、熊本産直センター・広瀬生夫(14)

14回目のゲストは、(有)熊本産直センター、代表取締役・広瀬生夫さん(59)。広瀬さんとのご縁は、先月20日に行われた某セミナー後の交流懇談会でご挨拶させていただいたことからでした。熊本県の特産品であるスイカ、メロン他季節の果物やお米、馬刺しに至るまでの店舗販売とインターネットを利用したオンラインショップで開店されて以来、右肩上がりの成長を遂げられています。

セミナー終了後の講師への質問タイムに、広瀬さんは「付加価値のつけ方」について質問なさっていました。講師の方のお答えが、「ちょっと的を射ていないなと」思った私は、僭越ながら個人的な意見を後日メールで送信させていただいても構わないかと打診してみました。広瀬さんからはなんの躊躇もなく「どんどんお聞きしたい」というお応え。ここで私は、広瀬さんの「器」に関心を持ちました。




広瀬さんのお店は植木町役場に近い国道3号線沿いにあります。熊本市内からも10Km程の距離。お昼前の1時間をいただき、半ば強引にインタヴューさせていただきました。事務所にお邪魔すると、ボア襟付きの革ジャンにジーンズという、そのままハーレーかなんかに乗って出かけてもおかしくないいでたちで、お客様と商談のお電話中でした。

広瀬さんは山鹿市鹿央町のご出身。今年還暦をお迎えになるそうですが、とてもそんな風には見えません。実家は何代も続く大きな農家の長男としてお生まれになっています。熊本農業高校を卒業とともに農業一筋に27年間、スイカ、メロン、米を作り続けてこられました。そして24年目のあるとき、自分が作った作物が産地ではなく、そのまま県外に流れて行くこと、消費者の顔が見えないことに疑問を抱くようになります。

「自分でつくったものを自分で消費者に直接届けたくなったんです」と思い立った広瀬さんは、トラックに100個のスイカを積み込み、路面販売を試みたのでした。今では見かけることの多い販売形式ですが、当時は誰もそんなことはやっていません。加えて、事前に周辺地域にオリコミ広告を1000部入れ、販売時には手書きの看板(POP)を準備してのチャレンジ。結果は予想以上の反応でした。

ここで消費者との直接のコンタクトに手ごたえを得た広瀬さんは、翌年奇抜な発想でスイカの販売にチャレンジします。それは「冬のスイカ」。クリスマスに向けて夏の風物詩を売るという逆転の発想でした。狙いは見事に的中し、大きな成功を得ました。ここにも広瀬さんのしかけがありました。熊日新聞にこの「冬のスイカ」の有料パブリシティ広告を打っていたのです。これによって、広告の力を実感されたそうです。

生産者としての商品に対するゆるぎない自信と、これをどうにかして消費者に届けたいという熱意、販売者の論理ではなく、あくまでも生産者の論理を貫き通す思いが受け入れられない筈はありませんね。そして、翌年。広瀬さんは新たなチャレンジに挑むのです。それは店舗販売へのチャレンジ。適当な場所を捜し歩いて見つけたのが、現在の3号線沿いに立つこの店舗がその場所でした。ここに「広瀬スイカ園」と名づけました。

この場所は元々自動車整備工場だったそうですが、それが空き家になっていたのです。広瀬さんは地主さんから三ヶ月の期限付きで借り受けることにしました。当時は近隣に同業が12店舗もあったにも関わらず、です。しかし、この競争厳しい商圏の中にあっても広瀬さんのお得意のマーケティング戦略が功を奏します。それはDMでした。これまでで掴んだ消費者とのコンタクトをしっかりここで花開かせたのです。この三ヶ月間での売上は、これまでの農業収入を上回るものでした。

この三年間の地道なリサーチを経て、広瀬さんは27年間続けてきた生産者から販売者への転進を決意します。広瀬さん、46歳の起業です。長男であった広瀬さんの決意に、ご両親は全く反対されなかったそうです。

三ヶ月間の期限だった店舗販売が今年で14年目に入りました。驚くのは、果物の販売事業で9年目に1億円の売上に達したことに加え、この14年間右肩上がりの成長が続いていることです。バブル崩壊後の出店とは言え、ずっと右肩上がりで成長するには何か秘策がなければなかなかできることではありません。その秘訣を広瀬さんにうかがいました。

「別に特別なことはしていません。これまでやって良かったことを、次やるときに更に良くしてきたことです。そしてお客様の要望をよくお聞きし、その要望に応えることです」と、さらっと答えられました。ナルホド。「お客様に間違いのないものを提供しています。競合店のことは意識したことがありません。ただお客様に喜ばれるにはどうしたらいいのか、それだけです」。

今ではオンラインショップも好調で、同社のお客様は全国で5万9千名に。昨年は12月にメロンの注文が殺到したそうです。4名の社員の方に企画を任せたところ、それぞれの企画が見事に当たったのです。

ここまでお話を聞いてきて広瀬さんのお話には、経営につきものの苦境がありません。あえて聞いてみると、「人間、本気になったらなんでもできるんです。私は物事を一切否定しませんし、プラス志向に徹しているだけです」と。「広瀬さんには幸運の女神がついているようですね」と私が言うと、「幸運の女神は誰にでもついていますよ。ただ、この女神が見えない人が少なくないでしょうね。私にはしっかり見えていますよ」と笑って答えられました。

最後に若い起業家へのメッセージをお願いしました。「熱意は誰もが持っているんですね。大切なのは取り組む姿勢です。それにどんな経験でも積んでおくこと。そのときは何の足しにもならないと思う経験でも、それはそれで自分の中の引き出しに納まって行くんです。そしてある日、その引き出しが必要になるときが必ずやってきますよ」。



先日、広瀬さんは出身校の熊本農業高校で「出前授業」を行ったそうです。今年で3年目になるとか。その授業で使われたペーパーの中に(有)熊本産直センターの企業理念が書かれていました。

★(有)熊本産直センター(以下、KSC)は、お客様への品質の良いおいしい新鮮なものを、早く提供することで、満足と喜びを感じて頂くように、日々新た、まごころから最善を尽くして努力精進します。

★KSCは、常に視野を広げ、耳を澄まし時代の進化を柔軟かつ敏感にキャッチして時流に乗って進みます。

★KSCは、消費者の皆様だけでなく、生産者、流通業者、社員他KSCの業務に関わって頂くすべての人々に感謝の念を抱き、皆が善くなるようにという思いで行動します。

★KSCは、常にスピードを意識して、サービスと商品のブランド化に邁進します。

どれも、広瀬さんのお人柄をそのまま映したような理念だと思います。中でも三つ目の理念が、私が冒頭で感じた「器」なんだと感じました。そして、二枚目のペーパーに書かれていたのが、エマーソン語録でした。広瀬さんがこのアメリカの思想家に出会ったのは高校生の頃だったそうです。詳しくはお聞きしませんでしたが、農家の長男として家業を継ぐ決心をした高校時代の広瀬さんの思いを垣間見たような気がしました。




ラルフ・ワルド・エマーソン(Ralph Waldo Emerson、1803年5月25日-1882年4月27日)は、アメリカ合衆国の思想家、哲学者、作家、詩人、エッセイスト。アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンに生まれる。18歳でハーバード大学を卒業し21歳までボストンで教鞭をとる。その後ハーバード神学校に入学し、伝道資格を取得し、牧師になる。

(有)熊本産直センター
〒861-0132
鹿本郡植木町植木115-1
TEL;096-273-4888(代)、FAX;096-273-4830
E-mail;hirose@crocus.ocn.ne.jp
ホームページ;http://www.kudamono39.net/
  
Posted by エントワークリンケージ at 20:42
Comments(2)TrackBack(0)注目の経営者・リードオフマン&ウーマン