2008年01月31日
野山の再生にかけるロボット技術者・松岡雄一(003)

三人目のゲストは、昨年7/19に㈱J-botを設立した松岡雄一さん。社名の由来は、「Japanese robot」から。松岡さんとのご縁は、第一回目のゲスト、守屋尚さんと同じく「創業塾」の塾生としての出逢いからでした。創業塾は8/25からでしたから、このとき松岡さんは既に起業されていました。塾の最終日に分科会の代表者が発表したのですが、松岡さんはその一人でした。
松岡さんは1961年1月21日のお生まれ。そう、奇しくも私がインタヴューした日が47歳のお誕生日でした。私より学年でニ学年後輩になります。会社は八代郡氷川町宮原にあって、役場のすぐ近く。事務所はロボットの子供たちが点々と置かれ、お二人の男性がパソコンに向かって作業中のところをお邪魔してお話をうかがいました。
泉村で生まれこの地で育った松岡さんは、八代市内の高校を卒業されると、一時神奈川県に出られ、以降音響メーカーで18年、その後八代市の一般産業プラント、設計、製作、据付(各種サイロ、タンク、搬送・環境設備等)、省力化機器、企画、設計、製作(自動機、ロボット等)の事業を行うY社に転職し、10年間勤めて事業部長を最後に昨年起業されました。起業の理由は次のような気概からでした。
「『小さな町にあって、なぜロボットなのか?』と問いかけられたら、自信をもって答えられることがある。それは、小さな頃からアトム・鉄人・マジンガー・ゲッターロボジャイントロボ・ガンダムがいつか現れて平和な国になると皆が信じていたからだ。今度は形にして感動をつくり出すのは僕の役目だと信じているから歩き出す。この道は遠いけれど僕の後を誰かが続いてくれる。それが僕をTVに釘付けにした日本流ロボットの伝統だと信じたい」。(HPより)
松岡さんの目下の研究は、山間部農地でのカラス、猿、猪、鹿などによる鳥獣害対策を、無線を使った遠隔操作で駆除しようとするもの。私も前職で鳥獣害対策に関わったことがありましたが、私の前の会社が取った対策は猪、鹿を農地に入れない柵づくりで、松岡さんはこれを捕獲しようという狙いです。現在球磨地域で計画中の「捕獲→精肉加工→販売」という事業化を後押しするものです。
確かに防護柵だけでは、被害を他所へやるだけで真の問題解決にはならず、松岡さんがおっしゃる「山のものは山で処理する」という考え方が理に叶っています。現在は農家の高齢者夫婦が毎日捕獲箱を見回りに行かねばならず、肉体的にハードな状況ですが、松岡さんの技術を使えば捕獲時に自宅で感知することができ、無駄で危険な山歩きをなくすことが可能になります。
松岡さんのこれらの取り組みは、1/27(日)のRKKテレビの夕方18:00からの番組で紹介されるそうです。是非ご覧ください。松岡さんの夢は、無線、遠隔操作、ロボットの三つのキワードを使って、忘れ去られつつある農業や、高まる福祉対策などに貢献し、そこに雇用を生み出すこと。松岡さんの熱い思いは、ご自身の次ぎのことばに示されます。
~「けして夢ではない。。。。。」日本を支える産業である
故郷に雇用が生まれる
故郷の野山から発信できる唯一の技術である~
明日は、熊本市内のホテルで行われる産学官の研究発表会に出席し、発表されるそうです。大きな夢に向かって走り出した松岡さんですが、現在ご自分の技術を利用してくれる企業とのコラボも模索中です。この事業だけではなく、組み込みソフト開発、省力化サポートなどもお手軽な金額でやってくれるそうです。そして松岡さんが主宰するロボットクラブの会員も募集中とのことでした。お問い合わせは下記まで。
㈱J-bot;Tel&FAX 0965-62-3862
E-mail;matsuoka@J-bot.co.jp
ホーム・ページhttp://j-bot.co.jp
インタビューの帰りの車の中で、松岡さんからいただいた、自作の歌と演奏のCDを聞きながら家路に着きました。曲のタイトルは「あなたへ」。松岡さんらしい優しい歌声でした。
2008年01月30日
熊本の子育て支援に奮闘する元銀行員・野村順子(002)

第二回目のゲストは、2006年に「PO法人くらしコンシェルジュ」を立ち上げて、様々な講座やイベントを企画運営している、元気な二児のママさん野村順子さんです。今日はお忙しい中を抜け出してきていただいて、事業の立ち上げからの現在までの活動や今後の抱負などのお話をうかがいました。
私と野村さんの出逢いは、昨年の1月27日と2月24日に分けて行われた「男の生き方塾」という凄いタイトルの中高年向けのセミナーでした。この企画・運営者が、野村さんが代表を務められる「NPO法人くらしコンシェルジュ」でした。コミュニケーション論、いきがい論、男の手料理、健康管理、福祉と多岐にわたった盛りだくさんの塾でした。
野村さんがこの事業を立ち上げられたのは、ご自身の子育てのご苦労がきっかけでした。転勤族のご主人に寄り添って、熊本→東京→シンガポール→大阪→熊本と生活圏を移動された野村さんは、その間、東京でご長男、シンガポールでご次男を出産。慣れない土地での子育ては、今ほど子育てサポートの仕組みができていなかったものの、自分から踏み出せばそれに近いものに出会えた。そこから、今の事業の構想がぼんやりと見てきたんです、と。
そんな子育て生活と平行して大学時代の専攻だった栄養士の資格を活かそうと、東京で募集していた料理研究家のアシスタントにチャレンジ。この辺が野村さんの行動力です。眠っていた資質が蘇るとともに、インストラクションやコミュニケーションワークの面白さに魅かれていかれました。「熊本に帰ったら、これを絶対事業化したい」とハートに火が付きました。
野村さんはまさに「クールヘッド、ホットハート」の持ち主です。普通の人なら自分のことで一杯一杯のところを、どうせなら、なんとか同じ状況の女性たちを支援しようという発想につながるのです。こういう想像力を天賦の才というのでしょうね。有名な経営コンサルタントの言葉を借りれば「包み込みの技術」。
そして、彼女が昨年手がけたのは17事業。恐るべし、です。
野村さんが事業の構想にあたってのポイントを聞くと、「もちろん、自分が好きなこと。そして、メンバーにとって楽しめるものかです」と即答でした。2008年度は既に7つの事業案をお持ちです。さらに、現在は、親の子育て力を高め、子どもが健全に育つことを目的とする『親支援プログラムNobody's Perfect(NP)』に取り組んでおられるそうです。
目下の課題は、経営・運営の自立だと野村さんは語られます。この事業を更に広めるためには、公的な事業だけではなく、自主財源による事業が不可欠だと野村さんは考えておられます。子育て支援、女性の社会復帰の場を広く提供するために地元企業とのタイアップを進めたいと静かな闘志に燃え、熱い(厚い)投資を求めるその瞳に、筆者は一瞬、たじろぎました。
野村順子さんへのアクセス;
NPO法人くらしコンシェルジュ(愛称)くらし熊本
〒862-0924 熊本県熊本市帯山4-27-14
電話 096-387-0955 FAX 同左
E-mail:bagus@sf.kcn-tv.ne.jp
熊本県男女参画センター「チャレンジ・スタイル」
http://www.danjyo.pref.kumamoto.jp/char/style2007/06tiiki/index.htm
2008年01月29日
ご挨拶
今日から、熊本の経営者、ショップオーナーなどをインタヴュー形式で紹介する「経営者夢追いインタヴュー」を開設します。熊本で頑張るこれから注目も方々に登場してもらいますので、応援よろしくお願いします。
記念すべき第一回は、社会保険労務士の守屋尚さん(40)。守屋さんとは昨年、8/25~9/25に五回にかけて行われた商工会議所主催の「創業塾」で知り合いました。守屋さんは昨年8月に既に「もりや社会保険労務士」を開業されており、起業の先輩です。(年齢は10歳ほど年下ですが)。現在は市内でも一等地にあるマンションで事務所を開いておられます。
東京・八王子生まれで大学卒業後、大手ゼネコンに入社し、現場の原価管理、安全管理、庶務事務等、技術分野に属さないすべての事務を一手に引き受けてこられ、40歳を前に将来の更なる飛躍を求め独立を決心し一昨年退職されました。
昨今、コンプライアンス経営が叫ばれていながらも、大手企業や老舗の会社でさえ社会通念では通らない不祥事が続いています。守屋さんはこうした企業の社会的責任や従業員からの内部告発による実態の暴露によって背負うダメージを、社内の組織のあり方を事前に改善することでこうした事態から未然に防ぐ役割を担いたいと熱く語られます。
当面は50~100名規模の中小企業の社会保険等の手続き代行や人事管理制度構築を手がけたいということでした。中小企業はとにかく資金、人手、顧客不足です。経営者の優先順位はおのずと営業活動と資金繰りに注力され、この規模の会社であっても人事管理、給与体系はアバウトになりがちです。しかし、ここがしっかりしている会社は採用もしやすく、退職者も少ないことは言うまでもありません。
1962年に導入された、企業の退職金制度を企業年金契約として、主に生命保険会社もしくは信託銀行が受託して行われる「税制適格退職年金制度」(適年)がH24年に廃止されるそうですが、「九州圏では新たな退職金制度への切り替えがまだ遅れています。経営者としては退職金の問題はできれば後回しにしたいところでしょうが、こうしたものこそ早めに手を打っておくことが従業員のロイヤリティを高め、結果的に事業の発展に繋がることになる」。守屋さんはこう語ります。
同じ「士」業でも、経営者にとって税金や利益に直結することから税理士の存在は欠かせませんが、目先の利益に直結しそうにない従業員の処遇や組織づくりは後回しになる傾向が強く、社会保険労務士の存在にまで目が行きません。守屋さんの話では、社労士を活用している中小企業はおそらく三割程度ではないかということでした。
創業塾生の交流会をいち早く立ち上げた守屋さん、彼のそうした行動力と人柄は私のお墨付きです。守屋さんの当面の目標は、社労士事務所を法人化させ、数年後に別のビジネスモデルで起業することだそうです。そんな守屋さんへのお問合せは下記HPまで。
「もりや社会保険労務士事務所」
http://www.moriya-sr.net/
記念すべき第一回は、社会保険労務士の守屋尚さん(40)。守屋さんとは昨年、8/25~9/25に五回にかけて行われた商工会議所主催の「創業塾」で知り合いました。守屋さんは昨年8月に既に「もりや社会保険労務士」を開業されており、起業の先輩です。(年齢は10歳ほど年下ですが)。現在は市内でも一等地にあるマンションで事務所を開いておられます。

昨今、コンプライアンス経営が叫ばれていながらも、大手企業や老舗の会社でさえ社会通念では通らない不祥事が続いています。守屋さんはこうした企業の社会的責任や従業員からの内部告発による実態の暴露によって背負うダメージを、社内の組織のあり方を事前に改善することでこうした事態から未然に防ぐ役割を担いたいと熱く語られます。
当面は50~100名規模の中小企業の社会保険等の手続き代行や人事管理制度構築を手がけたいということでした。中小企業はとにかく資金、人手、顧客不足です。経営者の優先順位はおのずと営業活動と資金繰りに注力され、この規模の会社であっても人事管理、給与体系はアバウトになりがちです。しかし、ここがしっかりしている会社は採用もしやすく、退職者も少ないことは言うまでもありません。
1962年に導入された、企業の退職金制度を企業年金契約として、主に生命保険会社もしくは信託銀行が受託して行われる「税制適格退職年金制度」(適年)がH24年に廃止されるそうですが、「九州圏では新たな退職金制度への切り替えがまだ遅れています。経営者としては退職金の問題はできれば後回しにしたいところでしょうが、こうしたものこそ早めに手を打っておくことが従業員のロイヤリティを高め、結果的に事業の発展に繋がることになる」。守屋さんはこう語ります。
同じ「士」業でも、経営者にとって税金や利益に直結することから税理士の存在は欠かせませんが、目先の利益に直結しそうにない従業員の処遇や組織づくりは後回しになる傾向が強く、社会保険労務士の存在にまで目が行きません。守屋さんの話では、社労士を活用している中小企業はおそらく三割程度ではないかということでした。
創業塾生の交流会をいち早く立ち上げた守屋さん、彼のそうした行動力と人柄は私のお墨付きです。守屋さんの当面の目標は、社労士事務所を法人化させ、数年後に別のビジネスモデルで起業することだそうです。そんな守屋さんへのお問合せは下記HPまで。
「もりや社会保険労務士事務所」
http://www.moriya-sr.net/