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私、五十路手前の後藤愼一が、熊本で頑張る社長さんやオーナーさんを訪問し、創業の苦労話、これからの夢などあれやこれや聞いて、レポートします。
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2008年03月18日

実と虚の空間を回遊するドルフィンワークス・西田ミワ(17)

全国商工会議所女性会連合会が、平成14年に創設した「女性起業家大賞」という顕彰があります。同賞は、「創業・経営革新に果敢に取り組んでいる女性起業家を顕彰し応援することにより、産業界の男女共同参画社会の実現を推進し、わが国経済の発展に資することを目的とするもの」だそうです。この顕彰は、各地の商工会から推薦された応募企業から選出されるようです。この熊本商工会議所女性会が推薦する賞として「輝女(テルージョ)」があります。

昨年、その「輝女(テルージョ)」に輝いたお一人にドルフィンワークス代表の西田ミワさんがいらっしゃいました。他に三人の女性経営者がいらっしゃいますが、事業面から個人的に関心があった西田さんにインタヴュー依頼をさせていただき、今回お話をうかがいました。という訳で第17回目のゲストは、「コンテンツディレクター/プランナー」、「財団法人生涯学習開発財団認定コーチ」として活躍されている西田ミワさんです。
実と虚の空間を回遊するドルフィンワークス・西田ミワ(17)


実は今回のインタヴューを終えて、ちょっと困りました。西田さんにはいろんなメディアからの取材が多く、私があえてここで書くことはないんじゃないかと思うほどだったからです。しかも、取材後、この記事を書くにあたって西田さんからいただいた資料を読みながら何気なくHPをチェックするといきなり、「エントワークリンケージ 後藤愼一様よりネット取材いただくことになりました。どんな視点で取り上げてくださるのか楽しみです^^のちほどご報告いたします」と書かれているではありませんか。暗黙のプレッシャーです。

とは言え、お忙しい中でせっかく頂いた時間ですので、西田さんご自身、今後の事業についてうかがったことを私なりの解釈で皆さんにお伝えしたいと思います。第一稿を西田さんにメールで送ったところ、前述の「暗黙のプレッシャー」について、西田さんから「脳化学的に申しますと、この『ピュアプレッシャー』は”さらなる向上と幸福感を誘発するドーパミンを大量放出”するそうで…」という励ましをいただきました。それでは本題に入ります。
実と虚の空間を回遊するドルフィンワークス・西田ミワ(17)


2001年7月の創業以来、なぜ西田さんがこれほど注目を浴びておられるのか?私の西田さんに対する興味はこの点にありました。取材を終えてその答えが理解できたように思います。実は、西田さんに数多くのメディアから取材依頼が寄せられるようになったのは、起業から半年間、売上ゼロという苦境に喘いだ西田さんが、そこから脱するために暗中模索の中でたどり着いて実行した「顔を売る」という行動の賜物だったことがわかりました。

「私と同じように起業した人、起業を目指している人、様々な異業種、同業種の交流会に顔を出し、団体のリーダーやお世話係も積極的に引き受けました」(商工ひのくに)と西田さんは語っています。もちろん西田さんが手がけられようとした事業そのものにメディアが関心を示さなければ、いくら顔を売っても連鎖はしませんね。しかし、事業そのものがどんなにインパクトのあるものでも、それが確実に歩を進めていなければメディアはフォローしてくれません。

西田さんの何がメディアの関心を呼んだのかをもう少し掘り下げてみようと、まず、西田さんがどのようにして起業するに至ったか、そして、西田ミワという女性がどういう方なのかを知るために、起業前のことについて振り返っていただきました。

高校を卒業した西田さんは、ご実家でアパート経営されていることもあって、建築に興味を抱きながら、とあるゼネコンに入社されます。そして、不動産販売に携わる中で宅建主任の資格を取得され、建築業界、不動産業界でのキャリアを積んでいかれました。この辺までの西田さんは業界では一般に見受けられるOLの一人でした。

仕事にも慣れた頃から、西田さんの中で「私自身、果たして世の中でどのくらい通用するのだろう?」という単純明快な疑問がわいてきました。さらにそれが「そもそも、自分とはいったい何者なのか?」という命題に突き当たっていきます。西田さんは23歳のとき、突然思い立って「自分探しの旅」のためにアメリカに旅立ちました。宿だけを確保しながらの、2週間にわたるアメリカの旅です。しかし結局、アメリカでは何も見つけることはできませんでした。

その後熊本に戻った西田さんは、ハウスメーカーで建売住宅の営業職をはじめに様々な仕事を経験されます。数えるとそれは20種類以上にも及ぶといいます。ときには二足・三足のわらじを履いたこともあるそうです。とにかく自分にあった仕事に出会うために「OL時代は原因を外に見つけるのが得意で、気に入らなければ即転職」という「ジョブ・サーフィン」とも言える状況でした。西田さんの「自分探し」はまだ続いていました。

そこへ運命は、西田さんが求める「ほんとの自分」ではなく、「一生のパートナー」を巡り会わせることにしました。この運命の波に乗って28歳で結婚され、翌年ご長女を出産されます。一見順調な新婚生活でした。ところが、家庭に納まった西田さんは社会的な接点を失ったような気持ちから、一時、育児ノイローゼ状態に陥ってしまいます。

この閉塞感の捌け口として西田さんは、当時立ち上がったばかりのメールマガジンに思いのたけをぶつけ始めました。今から10年位前のことですから、今ほどインターネットは盛んではありませんでしたが、このメルマガがなんと1,400名の読者の共感を呼んだのでした。今の西田さんの仕事の出発点はここから生まれたのでした。

以来、西田さんは家庭に加えて「自分の仮の居場所」を見つけて、まずはネット社会を泳ぎまわることになります。ネットサーフィンをしながら、現在の環境の中で再就職の道が固く閉ざされていることもひしひしと感じていました。一方で、メルマガの読者にはいろんな人がいて、彼らから情報提供を受けたり、相談に応えたりする中で、今目の前にあるパソコンとインターネットでなんらかのサービス提供ができるのではないかと考え、西田さんはWEBデザーナーとして独り立ちすることを決意します。

実と虚の空間を回遊するドルフィンワークス・西田ミワ(17)


そして、起業。しかし前述のように半年間は全く仕事が入ってきません。西田さんはそんな起業後の苦しみの中からもうひとつ「居場所」について思い至ります。「一人でやってみて初めて、自分にはこれまで会社という後ろ盾があったことが自覚できたんです。そして、そのありがたさに気づいたんです」と。実社会の海は西田さんにとって、ネット社会ほど自由な回遊空間ではありませんでしたが、冒頭の積極的な人脈づくりが少しずつ実っていきました。

「Webデザイナーとして開業はしましたが、何しろ独学ですから、当初はお客様にご協力いただきながら必死で制作していました。そして、やればやるほどその都度、自分に欠けているものがわかってくるんですね。その発見が喜びだったんです。確かに苦労はしましたが、お客様が喜ぶ顔が見たいという気持ちの方が勝っていたと思います」と、西田さんはその当時の思いを語ります。

これまでずっと探していた「自分」が直接的にではなく、結婚、出産、育児というプロセスを経てようやく西田さんの目の前に現われたのです。前述の「やればやるほどその都度、自分に欠けているものがわかってくるんですね。その発見が喜びだったんです」と語る西田さんの言葉とあわせてみると、結局、探している「自分」は、もともと西田さんの中にあったことがわかります。そして「仮の自分の居場所」が「ほんとの自分の居場所」へと変わっていくのです。

西田さんのこんな「自分探し」の話を聞きながら、私は、あるブログの読者同士である武闘派銀行マン「のんた」さんのブログ「潰してたまるか!お前の会社」の次のような記事のことを思い出していました。(http://ameblo.jp/k-hotline/entry-10080027975.html

自分の取り得や才能を、最も簡単に見つけられる方法があります。それは、起業することです。逆に言えば、起業しない限り、あなたの本当の才能を見つけ出すことは出来ません。すでに起業して苦労した人は分かると思いますが、人というものは、一人ぼっちになって初めて、自分自身の力量が分かります。「自分に何が出来るのか」ということを客観視できます。

会社にいる限りは、基本的に温室育ちであることに大差ありません。そんな環境で、いくら自分に何が出来るかを考えてみたところで、客観視することなど不可能です。資格を持っているから大丈夫だろう、営業が得意だから大丈夫だろうという甘い考えは、起業したとたんに吹き飛んでしまいます。そして、最終的には、「自分は何のために生まれてきたのか」ということが分かります。そこから先は、また自分で決めるのです。

私自身がそうであったように、起業して自分が得意だと思っていたことに力を注いだ結果、「こんなはずじゃなかった」と感じることなど日常茶飯事です。好きだと思って始めたのに、実は好きではなかったということがあってもいいのです。そうやって、少しずつ自分を分かっていくことが、起業する喜びでもあるのです。あなたが現在いるところは、世界で一番いいところでもなければ、悪いところでもありません。今がベストだと思っても、外に出るともっといいところがあったという発見をし、世間の広さを知って喜びを知るのです。

自分の取り得を知ってから起業するのではありません。起業することで、自分の取り得を見つけることができるのです。


今の西田さんの本業は、「DOLPHIN WORKS」における、インターネットコンテンツの企画・制作、ブログ・メルマガの執筆代行、そして昨年立ち上げた「STAND UP」における次世代リーダーのための起業家育成活動、ワークショップ等企画運営、加えて共同出版にまでと多岐に及んでいます。更に4月1日からは「STAND UP」の弟分的団体、社会起業家とフリーランスのための情報発信局「SOHOフォレスト」を稼働されるそうです。これは、熊本県を拠点に活動するフリーランサー、社会起業家、個人事業主のシンクタンクとしての位置づけで、交流の場、ビジネスマッチングの場としての受け皿になるようです。

「高度なコミュニケーション能力と、地域やネットワークの媒介としての役目を担う会社でありたい」という願いをこめたという「DOLPHIN WORKS(ドルフィンワークス)」。この屋号は更に、「ボスを目ざすサメとリーダーを目ざすイルカ―上司・同僚・部下から評価されるイルカ型ビジネスのすすめ」(単行本))という本に書かれた次ぎの内容にインスパイアされたものでもあるそうです。

実と虚の空間を回遊するドルフィンワークス・西田ミワ(17)


社会で働く人は、男女問わず、サメ(海の殺し屋)、グッピー(自己中心主義者)、イルカ(高い知性を持って、和を大切にする人)に分けられる。それぞれどのようにつきあえばよいか、アメリカのビジネスで成功している女性200人のインタビューを基に構成されたハウツーブック。//内容(「BOOK」データベースより)


そして、女性鉱山労働者になったシングルマザーが、男性社会の中で耐え難いセクシャル・ハラスメントを受け、立ち上がるまでを実話に基づいて描いたシャーリーズ・セロン主演の「スタンド・アップ」からインスピレーションを得たという「STAND UP」。西田さんは「この受け皿を『スター誕生』」に場にしたいんです」と語ってくれました。
実と虚の空間を回遊するドルフィンワークス・西田ミワ(17)


最後に今後の活動についておうかがいしました。「私って、思ったことと今やっていることの間にギャップがあったりします。それはいろんなニーズや状況によって、そのときの最もよい形がケース・バイ・ケースで違ってくるからで、私の中ではごく自然な流れで方向転換しています」と笑いながら語る西田さんには何か一筋ピンとしたものが通っていることを感じさせる目の輝きがあります。

第一稿のメールへの西田さんの返信に次のようなメッセージがありました。

もう一つ、私が目指す、社会的なミッションがあります。現代社会においては、従来の社会が「リアル地球」と称するならば、インターネット上では「バーチャル地球」が存在しており、2つの地球が互いに干渉したり、シンクロしあって、現在のような社会が形成されています。(googleなどの影響で加速していますね)

「情報格差」という言葉がありますが、私の解釈では、格差とは、その2つの地球を上手に住み分けできるかできないかの違いによって起こるもの。インフラ面では、日本においては、ほぼ平等に権利を手に入れているのですが、必ず加速していく社会の波に乗れない人も出てくる。私は、その受け皿が絶対的に必要だと思っています。

ドルフィンワークスは、その、リアルとバーチャルをつなぐ潤滑油のような役目と、希薄になりつつある”心”と心の闇に焦点をあて、人と人、ネットワークをつなぐ潤滑油になりたいと思っています。SOHOフォレストも、スタンドアップも、その通過点での試みです。


西田さんのこれまでの話を聞いていると、一人の女性が「顔のない」ネット社会の海に飛び出し、そこでコミュニケーションの必要性を学び、そのことによって「自分」という存在意義がはっきりと実像化され、その実像をまとって「顔のある」実社会に繋がっている姿が見て取れます。そして今度は「顔のある」存在として、再びネット社会の海を自由の泳ぎまわっている姿。

創業以来、なぜ西田さんがこれほど注目を浴びておられるのか?それはネット社会と実社会という二つの社会を泳ぎ回る西田さんの行動範囲が一般人よりも遥かに広いわけですから、当然の帰結な訳です。時には戦略的に網にかかることもあるでしょうし、無作為に泳いでいるところを発見されたりもするでしょう。結果的に露出頻度が高くなり、正のスパイラルを起こすことになるという訳です。

「自分が味わった苦悩や失敗を伝えたり、コーチングすることで、これらから起業する方々が少しでもリスクを回避してもらえるようにサポートしていきたいと思っています。また、意図に反して苦境に立ってしまった方にもフォローできるような体制も組んでいきたいと思います。そして、仕事でも家庭でもストレスなくやっていけるような環境づくりをいろんな方法で目指してきたいですね」と語ってくれました。

西田ミワさんへのアクセスは下記。

ドルフィンワークス
代表 西田ミワ 
OFFICE:(〒862-0902)熊本市東本町16-39-1001
TEL&FAX:096-368-8176 / MOBILE:090-3415-5630
URL:http://dolphin-w.com / MAIL:info@dolphin-w.com
SKYPE:dw-nishida / mixiネーム:旅ねこ
------------------------------------------------------------------------
▼スタンドアップblog更新中!
http://tabineko.otemo-yan.net/
◆「SOHOフォレスト」準備中!

(追記)~西田さんからのメッセージ~

この本になぞりながら、次世代リーダーのあり方について私のメンターである増田紀彦氏がこのような記事を書いておられます。

▼【独立事典デスク:週刊「増田紀彦」通信】
第44回「それぞれの持ち味」 2003.06.27配信
http://www.keyplanet.com/keypla/masuda/masu04.html

求めている仕事のありかたを模索している時、偶然に、増田氏のこの記事を読み、リーダーのあり方について深く感銘を受けました。※増田紀彦氏は、アントレ編集デスクでもあり、起業家でもあり、現在は、NICeのチーフプロデューサーでもあります。

▼NICe(起業家SNS) 経済産業省プロジェクト
http://www.nice-vec.jp/

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この記事へのコメント
今日も参考になりました!

すべて読ませて頂きました。

いつもありがとう御座います。
Posted by 行司行司 at 2008年03月18日 19:55
お世話になりました!
近年の自分史をまとめてもらって感謝です。
にしても、、、かなりの長文に鳴りましたね^^;
Posted by 旅ねこ at 2008年03月18日 21:54
行司様、いつもコメントありがとうございます。私の活力源になっています。
Posted by 後藤愼一 at 2008年03月19日 09:48
「旅ねこ」様、ご協力ありがとうございました。
「ピュアプレッシャー」は確かに向上心が誘発されました。これからは写真の技術を磨き、実物通りに綺麗に写せるように頑張ります。
Posted by 後藤愼一 at 2008年03月19日 09:53
旅ねこさんがすごいのは何となく分かっていましたが…ものすごーく有名な方だったとは…おてもやんブログって一体…
Posted by ほんわか at 2008年03月24日 18:42
ほんわかさん、いつもコメントありがとうございます。西田さんのパワーには押され気味でした。
Posted by エントワークリンケージエントワークリンケージ at 2008年03月31日 17:14
初めまして!ブログ読ませて頂きました!
面白かったです!これからも良いブログを書いていって下さい☆
期待してます!
良かったら自分のサイトにも遊びに来て下さいね☆
アパート経営されてるってのが羨ましいです(笑)
Posted by at 2008年11月20日 10:23
 
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